ちぎれ雲に なってしまいたいと思った
小さな霧になって 薄蒼の明け方の空を あてもなく
大きさも違う他人と 重なったり ちぎれたり 流れてく
私を見て地上の人は 何か言うかもしれないけれど
私の耳には聞こえないし
私の場所から表情までは見えないし
何より
通り過ぎてしまえば私のことなんて覚えていない

ちぎれ雲に なるには
まず灰になって
海になって
それから 空にあがる
時々
この身を失う程の悲しみを感じるだろうけど
またいつか私は ちぎれ雲になって
誰の記憶にも残らない 旅を続ける

sora